"Beauty Nurtured by The Tale of Genji ― It is Fate thet Brings Us Together" |
Ueno Artist Project 2022 |
「上野アーティストプロジェクト」は、「公募展のふるさと」とも称される東京都美術館の歴史の継承と未来への発展を図るために、2017 年より開始したシリーズです。 その第 6 弾となる本展は、「源氏物語」がテーマです。
平安時代に紫式部が執筆した源氏物語には、四季折々の美しい情景とともに、多数の登場人物が魅力的に描かれています。 主人公の光源氏を中心に紡がれる人間模様は、現代の私たちにも通じるものがあります。 読者は登場人物と自分とを重ね合わせ、感情移入することができるからこそ、約 1000 年の間、変わらず読み継がれてきたのではないでしょうか。 そして、長い間広く親しまれてきたことにより、美術工芸や芸能など他のジャンルにも影響を与え、源氏物語は時代や文化を超えて人々を魅了してきました。 |
(第14帖「澪標」光源氏の和歌より) |
本展では、絵画・書・染色・ガラス工芸という多彩なジャンルの作家をご紹介します。 人との出会いはもちろん、美術館で作品とめぐり逢うことも、 ひとつの 「えに(緑)」 と言えます。 人や社会とのつながり方が変化しているコロナ禍において、本展が私たちの生活を見つめ直す機会となれば幸いです。 |
新型コロナウイルス感染症予防対策について、HP などでご確認ください。 |
'2022 11_18 「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」 プレス内覧会展示風景・ギャラリートーク、プレスリリース、「美をつむぐ源氏物語」図録の抜粋文でご紹介しています。 |
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「美をつぐむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」 |
「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」 展覧会の見どころと展示構成 |
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第 1 章 「和歌をよむ」・「書」がテーマになって、『源氏物語』には 795 首の和歌が詠まれています。 当時・平安時代、和歌はコミュニケーションツールの必修事項であった。
そう言ったことから登場人物の信条であったり、その浮かび上がる背景が和歌から読み取れる。 それが、『源氏物語』 の魅力で、登場人物の筆跡が沢山でてくる。 |
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目次. Contents |
'2022 11_18 「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」 プレス内覧会展示風景・ギャラリートーク、プレスリリース、「美をつむぐ源氏物語」図録の抜粋文でご紹介しています。 |
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【 1章 . 和歌をよむ 鷹野 理芳/ 高木 厚人 Section1. Composing Waka Poems TAKANO Rihō/ TAKAGI Atsuhito 】 |
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平安末~鎌倉前期の歌人・藤原俊成が評した 「源氏見ざる歌詠みは遺恨のことなり」 の言葉により、源氏物語は和歌の規範となった。 俊成は、源氏物語から優れた表現方法や場面設定を学ぶべきであると主張したのである。 源氏物語には、七九五
首の和歌が収められているが、それらの和歌を通して、登場人物の喜怒哀楽やその時の情景を感じることができる。 また、物語には書風に関する記述が数多く見られ、平安時代のかなや紫式部の書美観も伺える。 |
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右・No.1 鷹野 理芳 [ 1959 年東京 ] 《光源氏誕生「桐壺の巻」より》 2022 年 紙本墨書 各 37.0 x 138.0 作家蔵 / ・No.2 鷹野 理芳 [ 1959 年東京 ] 《儚い夢「夕顔の巻」より》 2020/2022 紙本墨書 扇: 25.7 x 40.0 上段各: 9.8 x 54.9 下段各: 6.0 x 54.9 作家蔵 / 左・No.16 高木 厚人 [ 1953 年千葉 ] 《うつせみ》 2022 紙本墨書 各 115.0 x 60.0 作家蔵 |
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右・No.1 鷹野 理芳 《光源氏誕生「桐壺の巻」より 》 制作にあたって、物語の主人公光源氏の誕生は、同時に母・桐壺更衣の死でもあった。 54 帖の壮大な物語の初めの段を、変体かなを使わず、現代のかなで表わした。 第 1 帖 桐壺 【 光源氏 1 歳~ 12 歳 】 桐壺帝の時代、低い身分ながら帝の寵愛を受けた桐壺更衣は、多くの女御や更衣たちから嫉まれ、心労が重なって亡くなる。 残された若宮(光源氏)は才知と美貌を兼ね備えていたため、政争の種に発展することを恐れた桐壺帝は、 若宮を臣籍降下して源氏の姓を与える。 光源氏は元服し、左大臣の娘・葵上を妻とするが、亡き母に似た桐壺帝の女御・藤壺に憧れを抱くようになる。 |
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【 2章 . 王朝のみやび 玉田 恭子/ 青木 寿恵/ 石踊 達哉 Section2. The Elegance of the imperial Court TAMADA Kyōko/ AOKI sue/ ISHIODORI Tatsuya 】 |
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源氏物語は、華やかな王朝の世界を舞台に、日本の美意識の根幹となる四季の移ろいや豊かな自然の風景が描かれている。 このような美しい描写は、さまざまなジャンルにも取り入れられ、約 1000 年経っても色あせることなく、現代でも美の拠り所となっている。 |
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左・No.21 玉田 恭子 《かさね硝本「明石」》 2013 宙吹き、キルンワーク、ラスター彩 45.0 x 26.0 x 3.0 作家蔵 / No.25 玉田 恭子 《湧紫渦》 2022 宙吹き、キルンワーク、ラスター彩 30.0 x 20.0 x 27.0 作家蔵 / 左・No.39 石踊 達哉[ 1945 年旧満州 ] 《野 分》 1997 紙本着色 90.9 x 116.7(F50) 講談社蔵 / No.40 石踊 達哉[ 1945 年旧満州 ] 《真木柱》 1997 紙本着色 150.0 x 330.0(六曲一隻) 講談社蔵 |
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左・No.21 《かさね硝本「明石」》 制作において、物語のひとつのシーンを硝子本に仕立てた。 着物の襲ねに登場人物を描き、本の世界から浮かび上がらせた。 第 13 帖 明石 【 光源氏 27 歳(3月)~ 28 歳(秋) 】 光源氏の夢に桐壺院が現れ、須磨を去るように告げられる。 翌朝、住吉の神の夢告を受けた明石入道が迎えに来て、光源氏は須磨の隣にある明石に移り住む。 その後、入道の娘・明石の君と契りを結び、明石の君は光源氏の子を身ごもる。 / ・右 No.37 石踊 達哉 《真木柱》 第 31 帖 真木柱 【 光源氏 37 歳(冬)~ 38 歳(冬) 】 結局、北の方は実家へ引き取られることとなり、娘の真木柱は父と別れ、住み慣れた家を去ることを嘆く。 |
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【 3章 . 歴史へのまなざし 守屋 多々志/ 渡邊 裕公 Section3. Looking at History MORIYA Tadashi/ WATANABE Hiroaki 】 |
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源氏物語には紫式部の歴史観が随所にみられる。 紫式部は、単なる虚構の物語として源氏物語を執筆したのではなく、社会の道理や歴史の重要性、人間の本質を物語で説こうとしたのである。 紫式部が提示した視点は、現代の私たちも学ぶべきことがあるのではないだろうか。 |
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左・No.60 渡邊 裕公 [ 1950 年愛媛 ] 《光彩奪目》 2013 カラーボールペン、カンヴァス 162.0 x 194.0(F130) 作家蔵 / 左No.62 渡邊 裕公 [ 1950 年愛媛 ] 《原点回帰》 2018 カラーボールペン、カンヴァス 130.3 x 194.0(F120) 作家蔵 / No.63 渡邊 裕公 [ 1950 年愛媛 ] 《生々流転(豊国祭礼)》 2014 カラーボールペン、カンヴァス 162.0 x 194.0(F130) 作家蔵 / No.65 渡邊 裕公 [ 1950 年愛媛 ] 《華日粧春》 2017 カラーボールペン、カンヴァス 194.0 x 162.0(F130) 作家蔵 |
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左・No.60 渡邊 裕公 《光彩奪目》 ファインアートへのこだわり、私の一番好きな場所、古都京都。 悠久の時を過ごせる場所。 結婚以来、毎年のように訪れ、もう 50 数回になる。 歴史の中に自分を思い入れ、寺社仏閣を巡る幸せ。 なかでも一番好きな寺社が蓮華王院三十三間堂。 約 1000 体の千手観音像が黄金色に輝き、幻想的な雰囲気を醸し出す。
各観音像は表情が皆違い、仏像が放つ光彩に目を奪われ圧倒される。 |
TEL: 03-3823-6921(代表) |
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館 |
画像をクリックすると 「源氏物語と江戸文化」 が大きな画像でご覧いただけます。 |
源氏物語と江戸文化 |
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源氏物語について 今から 約 1000 年前の 日本は、平安時代でした。 源氏物語は、平安時代の 紫式部という 女性が 書いた とても 長い話です。 全部で 54 冊あります。
この話に 出てくる 人は、400 人 以上です。 今、30 か国以上の 言葉で 読むことが できますから、世界中の 人が 読んでいます。 |
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社会の 中で 特別な 力を 持っていた 公家や武家の人たちは、昔の話を よく 読んで いました。 昔の話の 代表が 源氏物語 でした。 源氏物語を 読んだ人は、豊かな王朝の 世界に 憧れていました。 話に 書いてあることを 絵に するなど、いろいろな 新しい文化が 生まれました。 |
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江戸時代(1603 年~ 1867 年)になると、紙に たくさん 印刷が できるように なりました。 そして、源氏物語も 大勢の人が 読むことが できるようになりました。 |
会場:東京都美術館 ギャラリーB |
開室時間:9:30―17:30(入室は閉室の 30 分前まで) |
参考資料:「美をつむぐ 源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」図録、「源氏物語と江戸文化」 プレス説明会、報道資料 、ガイドブック他。 |
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